1.そこを何とか~
私の占い体験は40年前になります。当時私は会社勤めをしていたのですが、そろそろ適齢期でもあり同期で入社した友人と二人、結婚について占ってもらったのです。
その占い師というのが、友人の知り合いが占ってもらいすごく当たっていたとのことだったので、二人してワクワクしながら出かけて行ったのです。
場所は渋谷でした。
占いの館ではなくシャッターをおろしたお店の前に小さな机をおいて営業をしていました。今でも商店街などで見かけますね、独特の衣装と帽子をかぶり「いかにも」といった格好をしたおじいさんでした。
ただ路上占いなので、おじいさんの机の上には当然ながら電話機などありません。また今のようにパソコンもスマホもない時代です。私たちは予約もせず、会社帰りに押しかけてみたのでした。しかし運悪く到着した時には占いのおじいさんは机を片づけ始めていたのでした。
それでも「占いをお願いします」と言ってみると「もう終わりの時間だから」と断られてしまいました。
しかし二人してせっかく来たのです「そこを何とか~」と頭を下げると今度は「二人一緒じゃ見ないんだけど」とかなんとかブツブツはじまりましたが、結局近くの喫茶店に移動して鑑定してもらう運びとなったのです。
移動した理由はシャッターの前ではこの時間まで、といった決まりがあったようでした。
2.結婚を考えているのですが
席に座りコーヒーを注文して、あらためておじいさんを見ると仙人のような風貌をしていました。オーラも漂っていました。
こうして占いが始まったのです。
私にはそのころ、結婚を前提に交際を申し込まれた男性がいました。だからストレートに彼との将来について聞いてみたのです。すると私とその彼の名前と生年月日を書きなさいと紙を渡されました。
「私はこの男性と結婚を考えているのですが、いかがなものですか」
と聞くと間髪を入れず占い師は言いました。
「絶対やめなさい!」
それも、とても強い口調で言われたのです。
私は占いについては信じる方で何回か鑑定をしてもらったことがあったのですが、今回もたぶん、
「どうせ当たり障りのないことを言われて、なんとなく終わるだろうな」
と思っていたのです。
だから、いきなり「やめなさい」は意外というよりショックでした。そんな私におじいさんはさらに言いました・・・。
3.ここまでボロクソに
「なぜなのか、この男はいったいぜんたい何をしているのかがわからない。職業が見えないのですよ」
「いい加減な男だね、あなたとはまったく相性が合わないよ」
そして最後に・・・、
「この男は頭の病気をするだろな」
「・・・・・」
まさかここまでボロクソに言われるなんて、私は唖然とし言葉もありません。こうなるともう何も聞く気もせず、たしか最後に私の総合運を聞いて終わりました。鑑定料は1000円ポッキリでした。
4.やっぱり当たっていたんだ
それからですか、
おじいさんに「絶対やめなさい!」と言われたことはしばらく頭から離れなかったのですが、その後何日かすると特に気にすることもなくなりました。
そして結局、その彼と私は結婚をしたのです。職業が見えない、とも言われましたが彼はちゃんと定職に就いていました。それに優しかったし。
二人の生活がスタートすると幸せな新婚生活が始まりました。この時の占いのことなどすっかり忘れてしまったくらいです。
話はこれで終わりです、
ならいいのですが・・・。
夫が変わったのは子供が生まれてからでした。仕事もうまくいかなくなり辞めてしまいました。おまけにプー太郎のくせに威張ってばかり。
マンションを購入したのもこのころでしたが、購入資金は私が出したものです。しかし夫は働く気は全くなく、何の稼ぎもありません。私が小言を言うと大声で怒鳴り散らすのでした。
あのおじいさんに言われたこと。
やっぱり当たっていたんだ。
5.神がかり
それからですか、
夫との生活は25年間続きました、いや何とか耐え続けました。しかし夫が精神的におかしいとわかって、ええ離婚しました。
さらにそれから2年後のことでした、元夫となった彼は脳溢血で倒れ入院してしまったのです。
「この男は頭の病気をするだろな」
やっぱり当たっています・・・。
ちなみに、あの時一緒に行った友人のことなのですが。彼女にも意中の男性がいたのです、そして彼女もその彼との将来を占ってもらったのでした。
するとおじいさんは、たしかこう言いました。
「あなたこの人と結婚しますよ。離婚運なし。相性も良し」
今でも彼女とは会って話をする仲なのですが、なんと彼女はその彼と結婚できたのです。そして夫婦仲も、まあ多少のいざこざもあるようですが円満です。
占いって当たるんだ~!
私たちのような凡人にはない何か特別な能力を持つ人って、やっぱりいるんですね。神がかっているのか、もしかしたら長年の経験から人を見る目が人一倍優れているのかもしれません。
6.古い日記帳
私のお話はざっとこんなところです。
将来を占ってもらう方は多いと思いますが、その結果は将来になってみないとわかりませんよね。
だから、占いとは将来になってはじめて答え合わせができるものならば、この私もそれができる年になりました。あ~私はもうそんな年になったのか~。
だから占い師さんに言われたことは忘れないように書き留めておきましょう。私もこのお話は、古い日記帳を読み返しながら書きました。
もちろん、見事に外れた占いもたくさんありますよ、あまり結果に対しては深刻にはならないこともだいじです。
でも、占いって楽しいものですね。
スポンサーリンク
あわせてどうぞ!
スポンサーリンク