1.彼の笑顔が忘れられなくて
彼とは同級生で幼なじみ、学校は幼稚園から中学まで一緒でした。幼い頃にはよく一緒に遊んだことはありましたが、その後中学生になるとクラスも別、お互い部活にも忙しく会うことも話すこともなくなりました。
幼なじみといった思い、友達意識のようなものはどこか消えずに残ってはいてました。でも恋愛感情はありませんでした。そんな彼だったのですが、私は強烈な恋心を抱いてしまったのです。
きっかけは高校一年生の夏のことでした。
その日は家族で外食に行ったのですが、偶然にも彼の家族も同じお店に来ていたのです。親同士は「久しぶりね!」と盛り上がっていました、でも彼と私の間にはどこか気まずい空気が漂っていました。
そして、私たち家族が先に食事を終えて帰る時でした。彼は満面の笑みで私に手を振ってくれたんです。彼の美しく整った顔から、こんな無邪気な笑顔を見たのはその時が初めてでした。
それからでした、彼の笑顔が頭から離れなくなってしまったのです。
2.「忙しいから」の一言だけ
私も高校一年生、まだまだ純で未熟な年頃でした。彼のことが好きになるのにも時間はかかりませんでした。彼への想いは急加速していきました。そしてあの日から20日も経たないころ、まずは彼の連絡先を調べました。
幸いにも共通の知人や友人が多く、彼の連絡先を知っている人も私の周りにたくさんいたのでした。ある友人に教えて欲しいと頼むと「うん、いいよ」とすんなり教えてもらえたのです。
そしてこの日から私の辛く切ない片思いの毎日が始まったのでした。「会いたい」と何度連絡しても、彼から返ってくるのは「忙しいから」の一言だけ。彼はバイトを始めたらしく私と会う時間の余裕がないと言うのです
「中学の頃だったら、彼もバイトなんてしていなかったのに。もっと早く好きになって、早く声をかけていれば上手くいったかもしれないのに」
私はそんな後悔の念に押しつぶされそうになりながら、それでも一生懸命彼とのやり取りだけは続けたのです。彼への思いは切なく募るばかりでした。
3.夢と現実はまったく違うもの
そして、私と彼が高校卒業を迎えた朝のことでした。私は告白を決意しました。私の三年間は彼への思いがすべてだった、その思いのすべてを、この日だからこそ伝えたかったのですが。
告白した私を待っていたのは、連絡先のブロックでした。
真冬のような北風と鮮やかに澄み切った青空に、一生懸命育んできた私の思いは儚く散りました。
何回も誘ったのに全部断られていましたね。
好きでもない相手から何度もアプローチされたのだから。しかも違う学校に通っていて、会うこともお話しする機会もない相手。
たとえ幼なじみでも、何とも思ってはいない相手から告白されたって。それで恋が成るなんて、そんなこともわからなかったのかな。もちろん今になってから思うことなのですが。
片思いは、片思いだけを続けているのなら、誰も傷つくことはないでしょう。でも告白となると話は全く変わります。
思いを伝えることは大事なことです。でも夢と現実はまったく違うものであり、時に残酷なものなのです。
もちろん告白で幸せをつかんだ人はいます、でも言いようのない絶望や後悔、孤独や空しさから立ち直れずにいる、そんな人だっているのです。簡単に忘れられる思いなら、片思いなんかじゃないのです。
4.思い切り泣いてもいいんです
一度冷静になってみる。彼との距離感や間柄から恋の行方を客観的に見つめ直してみる。これは絶対に必要です。でもそれができないのが片思いなのですから。
ただ唯一言えること、
それは
「時が解決してくれる」
ということかな。
時だけが、
と言ってもいいのかもしれません。
風化・思い出・忘却。
歳月は癒しであり、時の流れは救いです。
失敗や後悔、恥のない人生などありません。だから無理に整理などつける必要はありません。思い切り泣いてもいいんです、うんと後悔して自分を責めてもいいんです。
そして、
「時の流れに身をゆだねること」
すべては過ぎてしまったことだから。
だから、もう大丈夫だよ!
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