それはもう腕によりをかけて
【告白されて】33歳会社員、しろさんより。彼の胃袋をつかむつもりでいたのです。毎日のようにYouTubeで料理の鉄人を見ては技を盗み、そして勝負する料理人の姿から気持ちをふるい立たせました。


1.めっちゃいい人だから

当時私は25歳で編集の仕事をしていました。ちょうど大学時代から付き合っていた彼と別れたばかりであり、とても落ち込んでいた時でもありました。





そんな私を心配してくれた友人が紹介してくれたのが彼でした。彼は私より7歳年上なのでこのとき32歳、友人と同じ職場に勤めていました。


「めっちゃいい人だから」と言われた通り性格はまじめそのもの、そして人の悪口は絶対に言わないようなタイプ。そして身長は180を越えていますが少し痩せ気味でした。


話をしてみるとお互い珈琲好きであることから意気投合、すぐにカフェや喫茶店に二人して出かけるようになりました。話も合うし年上の頼り良さもあり、私はすぐに彼のことが好きになりました。

2.まず彼を慰めることが先です

でも、彼には好きな女性がいることがわかりました。直接彼の口から聞いたことでした。楽しそうに話す彼の様子からとても仲もよさそうなことがわかりました。


私は彼にとってはただの友人の一人なんだな、そう思うと本音はとてもさみしいものでした。だからといって彼をあきらめたわけでもなかったのですが。


ただ私と彼の自宅は車でも2時間近くかかる距離がありました。会うのは2~3週間に一度くらい、だから毎日職場で彼と顔を合わせる彼女にはとても勝てそうもないかも、と思っていたのです。


しかし、それから3か月ほど経った頃でした。
「彼女、彼氏が出来たみたい」
と彼が言うではないですか。
「よっしゃー!」
私の心の中はガッツポーズっです。


しかし彼は相当落ち込んでいます、ここはまず彼を慰めることが先です。私は料理には多少自信があるので「ごはんで元気づけること」を提案したのです。そしてこの作戦がまさに功を奏したのでした。

3.彼女になってくれないかな

何がいい?と聞くと、彼はしばらく目を閉じ「かつ丼」とポツリ。私はさっそく彼の家に上がり込み、かつ丼と副菜そして汁物を作りました。それはもう腕によりをかけて作りました。


「おいしい!」
彼は何度も言いながら、そしてこう言ったのです。
「あ~、仕事が終わってこのごはんが毎日家で食べられたら、幸せだろなぁ」





「大丈夫、作りますとも」
「なんでもリクエストしてくださいね!」
と私。
すこし興奮気味でした。


「じゃぁお願いだ」
と笑う彼・・・。


こう書くとまるでもう結ばれたかのようですが、恋人関係になるにはまだ先でした。ただこの日からその一歩が始まったのですが。


それからは、会うのはやっぱり2週間に一回でしたが、カフェ通の後どちらかの家で私がごはんを作ることがメニューに加わりました。


こうして2カ月が経ちました。いつものように彼の家でご飯を作り、一緒に食べている時でした。


「あの・・・、」
「好きなんだ」
「もしよかったら、彼女になってくれないかな」
なんと彼の方から告白があったのです!


「あっ、はい、もちろんです!」
と私。


「胃袋つかまれちゃったかな~」
と笑う彼・・・。

4.ちょっと頑張りすぎたかな

もちろん最初から胃袋をつかむつもりでいたのです、
「ごはんで彼を振り向かせる!」
私は2週間に一回のごはんにすべてを賭けてきたのです。


毎日のようにYouTubeで料理の鉄人を見ては技を盗み、そして勝負する料理人の姿から気持ちをふるい立たせました。メインと汁物、そして副菜を毎回4品は作ったのですから。


でもね、この時はちょっと頑張りすぎたかな。


結婚した今も、メインと汁物、そして副菜を少なくても3品はリクエストされるのです。2週間に一回と毎日では全然違うのにね。


恋人同士の関係にいるあなた、いくら好きだからと言ってがんばり過ぎたり、つくし過ぎたりするとそれが「当たり前」になってしまいます。


なにごとも「ほどほど」がいちばんですよ!



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