絶対に鑑定をお願いしなければ!
【手相】49歳主婦、ココナッツさんより。新社会人となるのに抱負も目標も希望もなく不安だらけの自分。まだ何もしていないのに、私はしおれていました。


1.まさに就職氷河期の真っ只なか

大学を卒業まであと数か月という頃、やがて社会に出る自分のことを思うと心はモヤモヤと曇るのでした。というのも入社することになっていた勤め先への不安があったのです。





本当にこの会社でいいのかしら、その勤め先はこじんまりとした会計事務所でした。応募したの自分であり、内定通知を頂き入社を決めたのもこの私、誰に相談したわけでもありません。


ただこの頃はまさに就職氷河期の真っ只なか、だったのです。「どんな仕事をしたいのか」など考える余裕もなく、ただとにかく採用してもらえればそれでいい。そんなが宙ぶらりんな就職活動で選んだ会社だったからです。


入社が決まり安心はしました、でも問題はこれからです。新社会人となるのに抱負も目標も希望もなく不安だらけの自分。まだ何もしていないのに、私はしおれていました。


そんな時です「占ってもらったらどうだろう」と思ったのは。

2.オープンと同時に会場に

私は今でも占いは大好きですが、この当時はまだネットもなく雑誌から情報を得る時代でした。毎月欠かさず占い関係の雑誌を読んでいましたが、この頃は手相占いが主流であったと思います。


有名な先生も何人もいました、でも都内や大阪など大都市で活躍される方がほとんどです。地方暮らしであった私には鑑定してもらいたくても叶いません。


でも、いつも残念な思いをしていた私にチャンスが訪れました。東京でよく当たると評判の先生が、市内のデパートになぜかやって来るとの情報を得たのでした。


広告で発見したのですがこの時はホントに驚きました。


就職を控え不安だらけだったこの時です、絶対に鑑定をお願いしなければ!と気持ちが昂ぶりました。でも人数制限があるとのことでダメかもしれない、といった思いもありました。


そしてその当日、目的地であるデパートには開店前に到着。すでに何名も入り口前に集まっています。よく見る光景ですがこの中には占い目当ての人もいるのかな、などと思うと気が気ではありませんでした。


そしてオープンと同時に会場に駆け上がりました。大行列を予想していたのですが意外なほど空いていました。


しかし平日にもかかわらず開店と同時にここに並んだ人たち、きっと同じマニアであり先生にお会いできることを祈っている。そう思うとうれしくなりました。

3.この占いは当たってはいない

そして私は運よく鑑定を受け付けてもらい大喜び!さらに鑑定料はなんと3千円です。あの有名な先生の鑑定がたった3千円で受けられるとは。





さて、その東京からやって来た有名手相占い師、雑誌で何度も拝見していた通りでした。いたって普通のおばさん、占い師ですといった神秘さなどはぜんぜんありません。


でも、いざ目の前にするとどうでしょう。やっぱり独特のオーラというのか緊張感が漂っています。さすがにこの人は違うは、と納得させられました。


「これから新卒入社しようという会計事務所の仕事は自分に合っているでしょうか」
私は不安な胸の内を聞いてみました。
すると私の手相を見てから先生は言いました。


「なかなか合っているんじゃない」


私は計算や事務作業に向いてること。だからこの仕事を選んだことに間違いはない。先生は何も心配することはありませんとやさしく言ってくれました。


わたしはもちろんホットしました。
でも・・・。


でも違う、
この結果は受け入れられなかったのです。


私は先生から「合っています」と言われたことで、逆に「そうではない」と強く否定する自分の声が聞こえました。


「この占いは当たってはいない」
私はそう結論を下したのです。


もしあの時「あなたには合っていません」と言われれば、何のためらいもなく会計事務所への入社を辞退していたと思います。


でもわたしは入社の道を選びました。

4.自分の本音を確かめたいとき

おかしな話だと思いますか。


でも私、社会に一歩も出ることもなく挫折することにためらいもあったのです。「合っている」と言われたことが幸いであったとも言えるかもしれません。


それから一年後、私は会計事務所を退社しました。


行き当たりばったりで選んだ就職先、私には向いてはいないといった思い込みがやはり強すぎたのです。長続きはしないとはじめから凝り固まっていたのですから。


あれから早いもので30年近くたちました。


会計事務所で過ごした一年の思い出など数えるほどです、20代前半の一年などあっという間ですからね。それに、それからの人生が上書きされていくわけですから。


でもあの時デパートでワクワクしながら占ってもらったことはいまでも忘れることはありません。


占いはいつになっても楽しいもの。当たる当たらないではなく、私は自分の本音を確かめたいときが占ってもらいたい時、そしてそれは今でも変わりません。



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