私は必死に無関心を装いました
【片思い】43歳主婦、リンコさんより。今さら後悔したってもう遅い。私のことを好きになってもらえたのに、ありがとうの一言も伝えることが出来なかった私。そんな切ない思い出話です。


1.彼がいるから私も頑張れる

今でも忘れられない、そんな切ない思い出があります。23歳、社会人になった時の話です。





新入社員の私が配属された部署には2歳年上の先輩がいました。彼の名前は仮にMさんとさせてください。


この部署のメンバーはMさん以外はみんな30代より上でした。Mさんは同世代の私を歓迎してくれただけではなく、慣れない仕事に毎日苦戦する私の面倒を本当によく見てくれました。


そしていつしか「Mさんがいるから私は頑張れる」、私にとって彼が何よりの励みであり彼の存在が私にとって、とても大きなものになっていったのです。

2.リンコちゃん困ってるよ~

そんなMさんは回りの目を気にすることもなく私に近づくので、回りから冷やかされることも多かったのです。


ある飲み会の時のことでした。
「リンコちゃんは僕のお気に入りだから」
とみんなの前でハッキリと言ってくれたことがあったのです。


私ですか、それはもうドキドキするほどうれしかったんです!


でも笑いながら「迷惑です」と私が返すと「そういうのセクハラだよ、リンコちゃん困ってるよ~」と先輩の女性社員がすかさずフォローしてくれました。


こんなやり取りにMさんも笑いながらも「よけいなお世話ですよ~、ねっリンコちゃん」と言っておどけてくれたんです。


私は顔をしかめながらも内心は「Mさん、私もよ!」とときめいていました。

3.私は好かれているはずだった

私への好意を隠さないMさんです。でも回りの目もあることです、私の方では歓迎するわけにもいきません。するといつしか職場内には、
「Mのリンコへ対する一方的な片思い」
といった空気のようなものが出来上がってしまいました。





私だってMさんが好きです、でもヘンに真面目に構えてしまったといえばいいのでしょうか。まだまだミスばかりの毎日だし、Mさんにこんなことで嫌われたくない。


恋愛にうつつを抜かしていたらダメ。そんな思いから私の本心を打ち明けることもなく過ごしていました。


言い方を変えるのなら「それでも私はMさんに好かれている」といった思いに甘えていたんです。


でも、それから一年後のことです「Mさんがデートしていた」そんな噂話を耳にしたんです。


心臓がドックンと鳴りました。私は必死に無関心を装いました。
「なんだよMのやつ、リンコちゃん一筋じゃなかったのかよ」
「年上とはな~」
「リンコちゃんが冷たくしちゃったからかな」


私の気持ちも知らないで。
私は「いえいえ・・・」というのがやっとで。
そしてトイレに駆け込み思い切り泣きました。

4.いくら恨んでも文句は言えません

Mさんが選んだ相手、それは「リンコちゃん困ってるよ~」と、あの飲み会の時に言ってくれた先輩社員だったのです。フォローなんかじゃない、私をMさんから遠ざけたかったのかな。


大好きだったのに、今さら後悔したってもう遅い。私のことを好きになってもらえたのに、ありがとうの一言も伝えることが出来なかった私。砕け散るような思いに沈みました。


後から聞いた話では先輩社員はかなり強引にMさんに近づいて行ったそうです。


Mさんは私のことが好きだったのに・・・・。いいえMさんの本心は私にはわかりません、だって何も私は出来なかったんですから。先輩社員をいくら恨んでも、私には文句を言える資格なんかありません。


それからMさんと先輩社員は結婚しました。結婚を機に彼女は退社、やがてMさんも転勤することとなりました。

5.本当はずっと好きでした

Mさんの送別会は同じ店、Mさんから「リンコちゃんは僕のお気に入りだから」と言われた店でした。気が付くとあの日と同じ部屋、同じ席に座っていました。





お話ができる機会もありましたが、今さら「本当はずっと好きでした」なんて言えません。


チャンスはたくさんあったのに・・・私はいったい何をしていたの。せっかく好きになってもらえたのに、私だって大好きだったのに。


私も結婚して10年たちましたが、あの時の切なさは今でも消えることはありません。


好きな人がいるあなた、でもその気持ちを伝えられない。その気持ちはわかります。でも迷ったらダメです。


結果はどうであれ行動できたことが大事です。たとえ失敗しても自分の勇気を褒めればいい!きっとあなたの成長につながるからね。



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