甘い話にはワナがある!
国際ロマンス詐欺が急増しています!困ったことにこのトラブルでは、だまし取られたお金を取り戻すことは難しいことが現実です。その手口とは、また見分け方や対策について考えてみます。


【1】国際ロマンス詐欺とはなにか

1-1.消費生活に関する相談件数は年間1万件

「パートナーを見つけたい
「出会いのきっかけがない」
そんなあなたをサポートしてくれる、これが出会い系サイトやマッチングアプリです。


ここには同じ思いや目的を持ったの多くの会員がいます。自宅にいながら気軽に参加でき、日常生活では叶わない方々との出会いもあります。





しかし、残念ながら本来の目的とは異なる怪しい人間、ひとことで言えば金銭搾取や高額商品の販売などを目的とした詐欺師もここには存在するようです。

  • 経歴詐欺
  • 結婚詐欺
  • セフレ目的
  • 出会い系サイトへの誘導
  • 投資・・・

などですね。

とりわけコロナ禍が始まった2020年以降を見ると、国民生活センターのPIO-NET(消費生活に関する苦情相談情報の収集を行っているシステム)には年間1万件を超える相談が寄せられています。


2021年度を見ても前年を上回る相談件数であり、まさに増加の一途。そしてそんな中、特に急増しているのがこの「国際ロマンス詐欺」なのです。

1-2.マッチングアプリが狙われています

国際ロマンス詐欺とは、ひとことで言えば
モデルのような外国人(プロフィール写真は偽物)がランダムにマッチングアプリの登録者にアプローチをした上で、恋愛感情を抱かせた相手からお金を騙し取ろうとする詐欺行為です。


ロマンス詐欺のターゲットにされるのは経済的にも余裕がある30代~40代が多いようです。また被害者は女性に限った話ではありません。


とりわけ、

「出会い系サイトやマッチングアプリ等で出会い、恋愛感情を持った相手から、実態のわからない投資等の海外サイトを紹介され投資したが、出金できなくなった」

といった投資に関する詐欺が増えており、その相談件数や男女別の割合の推移を上記引用先から見ても、

  • 2018年:2件
  • 2019年:5件
  • 2020年:84件
  • 2021年:170件

となっており、相談者の男女別割合を見ると、

  • 2021年:男性70% 女性30%
  • 2022年:男性61% 女性39%

と女性の占める割合の増加も指摘されています。


また困ったことにこのようなトラブルでは、投資等のサイトを運営する事業者の実態の把握が困難です。したがってだまし取られたお金を取り戻すことは、極めて難しいことが現実です。



【2】実例でみるその詐欺手口

2-1.二人の将来のため

では実際にどんな事件が発生しているのか、国民生活センターにはいくつかの相談事例が紹介されていますが、その中の一つを取り上げてみます。




詐欺手口事例「2人の将来のためと勧誘され投資したが、出金しようとすると保証金を要求された」

被害にあったのは30代の女性。相手は自称、ファッションブランドでVIP待遇を受けているという韓国人。出会いのきっかけはマッチングアプリです。

会話無料アプリで何度かやり取りを行っていくと、Babyとか妻と呼ばれるようになりました。そして「二人の将来のため」としつこく投資をすすめられ、結局断り切れず投資をしてしまいました。

続きについては引用させていただきます。

少額を投資したところ利益が出て出金できた。元金が多ければもうけも多いと説得され、銀行や消費者金融から借り入れて、合計約500万円投資した。

出金しようとしたところ、利益を含めた総資産の15%(180万円)を保証金としてさらに支払う必要があると言われたため、50万円をさらに借り入れた。

残りの130万円についてマッチング相手に相談していたところ、連絡が途絶えた。


2-2.被害発生に至るまでのパターン

いかがでしょう。このロマンス詐欺については、被害発生に至るまでに以下のようなパターンが見られます。

  1. 出会い・きっかけ:出会い系サイトやアプリなどでマッチング、相手は外国人を自称している。
  2. 投資などを勧める:実際に会う前に、出会ったサイトやマッチングアプリとは別のサービスでやり取りしないかと持ち掛けられる。そして相手から、投資サイトを案内され投資を勧められる。
  3. 投資をさせる:初めは少額からの投資を勧められ、実際に「投資サイト上では」利益が出る。するとさらに高額の投資を持ち掛けられ送金してしまう。送金方法については、暗号資産での送金や金融機関への振込(個人名義が多い)を指定されるケースがある。
  4. 出金ができない・送金を要求される:出金しようとすると、さまざまな名目で送金を要求されるが、出金できない。投資サイトもグルになっている場合がほとんど。
  5. 連絡が取れなくなる:相手や投資サイト運営事業者と連絡がとれなくなってしまう。そしてつぎ込んだお金も返金されることはない。


2-2.利用規約はあるのですが

このように出会い系サイトやマッチングアプリは、誰でも気軽にパートナーと出会えるなどというメリットがある一方、本来の目的とは全く違う目的で近づいてくる人物とマッチングしてしまうことも考えられます。





またその手口もなかなか巧妙です。半信半疑ではあっても、初めての取引で利益が出たことによって信用させることもその一つでしょう。その結果、さらに大金をつぎ込まされるといった流れです。


そして前述の通り出金の話をすると、税金や手数料が必要などと理由を並べられ、さらに振込を要求される。請求通り支払ったところで出金は出来なくなっており、連絡も途絶えてしまう。


ほとんどのマッチングサイトでは利用規約により、販売やサービスなどの勧誘や外部サイトへの誘導、またサイト上以外で相手と連絡を取り合うことは禁止されています。


また利用者間のやり取りのモニタリングを行うなどして、こういったトラブル防止に努めておられるところがほとんどでしょう。


しかし、こういった詐欺師は本人確認のチェックをごまかし、ニセの情報で利用する。またいざアプリを退会されてしまうと運営会社からの連絡も不能となってしまいます。さらに外部サービスを使われてしまえばモニタリングもできません。


こうなると詐欺行為の見分け方も難しいのですが、その手口から詐欺師の見分け方についてアドバイスさせていただきます。、



【3】ロマンス詐欺の見分け方

3-1.プロフィール写真に注目

イケメンや美女の写真が多いのですが誰かの写真を勝手に使用しています。「おかしいな」と思ったらGoogleの画像検索などでチェックしてみてください。同様に写真が送られてきたら片っ端から調べてみることも必要です。

3-2.職業に注目

医者・弁護士・経営者・海外に赴任している軍人・国連関係者など、この人たちは社会的なステータスを高く装うことが多い。

3-3.歯の浮くような気障なセリフを使う

Baby・Love・愛している、など甘い言葉を頻繁に使いたがる。またあなたのことをBabyとかMyLoveなどと言い始める。すぐに結婚をほのめかすことも特徴の一つ。

3-4.個人情報をさぐってくる

メールアドレス・給料はいくら・持ち家ですか、運転免許証を見たいなど。安易に個人情報は提供しないこと!

3-5.外部サービスに誘導したがる

アプリ以外、ラインやメールで連絡を取りたがる、絶対に応じてはいけません。サイトの規約に反している場合が多いので、運営者に報告してみることも一つです。

3-6.洗脳がうまい

儲け話をする、恋愛感情を煽るような話題が多い。結婚や出会いにあせっても、うますぎる話には何かあることを忘れずに。

3-7.突然お金が必要になったと言ってくる

税関の関係・立替払い・突然の不幸や病気になったなど、お金が必要になる出来事がこれでもかと起こる。ある程度やりとりが取り交わされ親しくなった頃には注意。

3-8.お金や投資の話を始める

この話題が来たら詐欺!の可能性が大。迷わず相談することがベスト。



【4】もし被害に遭ったなら

4-1.国民生活センター越境消費者センター

マッチング相手から疑わしい行為を受けた場合、まずは出会い系サイトやマッチングアプリを運営する会社に連絡することです。また消費生活センター等にも相談は可能です。

消費者ホットライン
電話:188(いやや!)
188番に電話すれば、市町村や都道府県の消費生活センター等を案内していただけます。
海外事業者とのトラブルについては、国民生活センター越境消費者センター(CCJ)でも相談を受け付けていただけます。
詳しくはこちらをどうぞ(CCJ-Chatbot)。
お金を国内の預金口座等へ振り込んでしまった場合、振込先の金融機関にも問い合わせを行ってみてください。振り込め詐欺救済法に基づく届け出を行うことも考えられます。



以上国際ロマンス詐欺についてでしたが、本来マッチングサイトとは私たちに出会いのきっかけを与えてくれる素晴らしいものです。

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安心して利用するためにも利用規約はよく読むこと、また甘い話には簡単に応じないよう注意が必要です。


とくに投資や送金、購入などの話には慎重に!もし詐欺の場合、いったん支払ってしまったお金を取り戻すことはとても困難であることも忘れずに。



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