1.恋愛は苦手、そして奥手でした
3年前の話です。私はその年になるまで男性としっかりとしたお付き合いをしたことがありませんでした。恋愛はめちゃくちゃ苦手、そして奥手でした。
男性から好意を寄せられたこともあったのですが、なにせ自信がまったくないのです。だからせっかくの話もいつも中途半端、ぎこちない結果で終わっていたのでした。
そんな私が恋をしたのです。私を夢中にさせたのは同じ職場の後輩、年下の彼でした。入社早々行った新人研修、私は講師を務めたのですが、その新人社員の中に彼はいたのです。
研修が終了すると彼は私と同じ課に配属が決まりました。そして私が引き続き彼の教育を担当することになったのです。
2.それはせつない片思いでした
第一印象は正直なんとも思っていなかったのですが、仕事で接してみると彼はと意外なほど大人っぽいのです。物覚えもよく、しっかりと返事はするしメモもとるし。とても素直で真面目な彼に抱いていた好感は、いつしか恋心に変わっていったのです。
自分でもこんな恋心を持ったのは初めての経験だったのです。私は彼に夢中になりました。毎日会社へ行けば彼に会える、話もできる、そばにいることができる。そう思うだけでわたしは恥ずかしいほどの「ときめき」を覚えました。
でもそれはせつない片思いでした。彼に対して私の本心を打ち明ける勇気などありません。だから焦がれるような思いとはうらはらに、彼と接するときにはむしろ素っ気ない態度をとったりしていたのです。
3.この恋にけじめをつけるんだ
それから早いもので2年の月日が流れました。彼に対する思いは変わらなかったのですが、これといったアクションも起こすわけでもなく。これでいいのかな、何とかしなければとは思っても何もできない自分がいました。
そして、彼が退職するいった話を社内のウワサで知りました。私は心臓が張り裂けるぐらいびっくりして・・・。そして話が本当であることを知ると、夜な夜なせつなさに押しつぶされそうでした。
彼は夢であった海外留学が実現したとのことでした。海外って、私には手の届かない彼方の世界ではないですか。もちろん「行かないで」などと言えません。そして彼との別れはどんどん近づいてきます。
そして開かれた送別会、もちろん私も参加しました。その日私は彼に告白しようと心を決めていました。この気持ちだけでも伝えて、そしてこの恋にけじめをつけるんだ、と決めたのです。でもみんながいる会の席上で話せるわけがありません。
4.私はついている!きっと神様の計らいなんだ
そして、何もできず会はお開きになりました。「やっぱり私ってダメなのね・・・」最後まで何もできなかった私、ただ落ち込むばかりです。
・・・でも、
帰りはタクシーで帰ることにしたのです、すると彼がスッと乗ってきて「同じ方向なんで一緒していいですか?」と。「もちろんです!」これには本当にドキドキしました。二人っきりになれる、しかも彼が作ってくれたなんて!私はついている!きっと神様の計らいなんだ。
こうなると私は、この運を逃すまい「今しかない!」と思い彼に対する気持ちを伝えました。「あなたがずっと好きでした、今も好きです、私と付き合ってください」自分でもビックリするくらい素直に思いを口にできました。
5.恋は心を活性化させてくれるもの
「ありがとうございます。でも、僕には結婚を約束した彼女がいます」
「・・・・・」
「Kさんにはいつも優しくしてもらいました。僕もKさんのことが好きでした、だから最後に一緒させてもらいました。忘れません」
私の目をじっと見ながらそう話すと、彼はニッコリ笑ってくれました。「久美さん」と、はじめて彼から下の名前で呼ばれました。最後までしっかりと気を使ってくれた彼、本当に優しい彼でした。
そんなわけであえなく轟沈!でも後悔は「なし」ですよ。私はちゃんと気持ちを伝えられたのです。これも人生!これはこれでよかったのだ、な~んて思っています。恋は心を活性化させてくれるもの、たとえうまくいかなくても、そう、恋は本当に素敵ですね。
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