1.相談があるから
大学2年生の時の話です。同じクラスの仲良しと、同じ男の子を好きになってしまいました。私は藍、仲良しの子は小春ちゃんといいました。
小春ちゃんはとてもかわいく女の子らしい子、そして甘え上手です。でも私といえば内向的で万事控えめ。自分の意見をハッキリ言うのが苦手な方でした。
そしてもう一人、私たち二人と仲の良い友人がいて、梨華ちゃんといいました。梨華ちゃんはとても頭が良くて美人です。男の子から本当に人気がありました。
さてそんな私たちが20歳になった時でした。私は小春ちゃんから「相談があるからさ」と放課後カフェに誘われました。そして彼女は言いました。
「私さ、亮太君が好きなんだけど、亮太君は梨華ちゃんの事が好きなんだと思う」
「えっ、りょう・・・・」
2.本音を押し殺し通しました
私は思わず飛び出した言葉を飲み込みました。でも内心大ショックを受けました。だって私も亮太君が好きだったからです。
もちろんこのことは、後にも先にも誰にも口には出来ませんでしたが。
そしてその日から私は小春ちゃんの相談に乗り続けました。でも「私も亮太君が好き」だけは言えません。ずっと隠したままだったのです。
で、いっぽう梨華ちゃんはと言うと、これが亮太君ではなく隼人君が好きでした。
「人間って思い通りにいかなものだな~」
としみじみ思ったものです。
私はとにかく余計なことは言わず、自分の本音も押し殺し通しました。こんなことで小春ちゃんや梨華ちゃん仲違いしたくなかったし、だから小春ちゃんの相談や愚痴に付き合い続けたのです。
バレンタインはどうしたらいいか、花火大会に誘いたい、クリスマスを一緒に過ごしたいなどなど・・・、いかにもといった悩みですね。
まあ安全圏にいて「いい人」を演じ続けたのかな。親身になっていたつもりですが、正直言って本心は別のことを思い描いていたともいえます。
しかし事件が起きました。なんと亮太君に同じ大学の1年生の彼女ができてしまったのです。
3.なんで今になって
これには私も小春ちゃんも「おったまげ~」その1年生は友里ちゃんといって、これがまたかわいい子だったのです。
私の心中も穏やかではありません。
「もはやこれまでね」とても太刀打ちできないと思ったのか、小春ちゃんも諦めモードに突入。
そして潔いと言えばいいのか、すべてスッキリ水にしたのでしょう。しかも私に内緒で彼氏まで作りまして、ええ、小春ちゃんは幸せな学生ライフを満喫したのです。
問題は私です。
亮太君への思いが消えたのではなく、むしろ光が射しました。が、小春ちゃんみたいに気持ちの切り替えが出来ずモヤモヤを引きずったまま卒業。このまま思い出になるのかと思ったのですが・・・。
しかしです、ある日のこと亮太君と繋がっている男友達に言われたんです。
「亮太は藍ちゃんのことがずっと好きだった、けど言えなくて。そんで1年生に告白されて渋々付き合ってたよ」
うれしかった。
でも聞かなきゃよかった、
なんで今になって・・・。
複雑な感情がザブザブ押し寄せてきました。
それでも私、小春ちゃんと梨華ちゃんとは親友として続いていたのです。だから「もう過ぎたこと」と必死に思い込みました。
4.諦めたはずの亮太君が
しかしそれから1年後くらいだったか、小春ちゃんと二人でお茶をした時です、
「学生の頃さ、小春ちゃん、亮太君のこと好きだったね」
と言うと、
「え?あたしが?・・・なんでさ?」
「・・・は?」
これには面食らいました。
彼女、あの時のことをきれいさっぱり忘れていたのです。しかし記憶にもないなんて、信じられない。
私は納得ができず。
「あのお店でよく話したじゃん!」
と誕生日プレセント何がいいかをあれこれ話し合ったことなんかを話すと、
「あ~ホイホイ、あったあった」
「・・・・・」
一生懸命こらえていた私、苦しかったあの月日は一体何だったのかと思うともうがっくり。その日以来です、諦めたはずの亮太君の顔が毎晩のように浮かんでは消えました。
そしてさらに半年後、亮太君と繋がっている例の男友達に「クラスのみんなで会おう」と誘われました。亮太君も来るぞ!やっと私にもチャンスが訪れました。
でもつくづく運のない私です。
私は仕事が入ってしまい参加できなかったのです。
数日後その男友達に「亮太君は参加してた?」と聞いてみました。
すると、
「あいつ就職先の大阪から戻って参加した。でも藍ちゃんが不参加だと知ると会の途中で大阪に戻って行ったぞ」
5.今は二度と戻っては来ません
こんなお話なんですが・・・・。
まあ「両思いでもお互いの気持ちが通じ合うことは叶わなかった」ということですね。
当時はLINEなどなかったし、気軽に連絡を取りあえることも出来なかったんです。
いや、そういう問題じゃないかな。
あれから何年もたった今、大人になった私は思います。
「自分の気持ちはハッキリ伝えた方が絶対にいい」
当たり前の話ですね、
でもこれがなかなか出来ないのですが。
周りになんか気を遣わなくていいのです。
いい人は損をします!
あなたの人生は、あなたのものであり、
あなたを幸せにするのは、あなた自身です。
たとえ結果がどうなろうと、時は誰にでも平等に流れます。時にやさしく、そして時に残酷に。
今は二度と戻っては来ません。
精一杯恋をしてくださいね!
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