この呪いから逃れたくて
【手相】51歳会社員、YSさんより。予約した温泉ホテルのプランは「占いつき」でした。そこで私は60歳から先の健康運についてショックな運命を聞かされたのです。


1.仕事運を見てもらいたかったから

転職について悩んでいたんです。新しい勤務先は自宅から近いので通勤も楽、また何よりも給料がよかったのです。ただ、全くの未経験な分野の仕事なので自信もありません。





心機一転頑張ってみるか、といった意気込みもありましたが、この先のこと、特に自分の年や子供のことを考えると不安だったのです。


そんな中、連休を利用して家族で草津の温泉に行ったのでした。予約した温泉ホテルのプランは「占いつき」でした。めずらしいプランもあるものだと思ったのですが、私も旦那も占いなどぜんぜん興味はありませんでした。


ただ仕事運を見てもらいたかったこと、そしてちょっとした話のタネにでもなるのでは、と思い選んでみたのです。

2.ご先祖様に守られています

占いは夕食後に行いました、エントランスのお土産コーナーの片隅、中にはちいさな机があり、その脇には水晶の置物やブレスレットなどが並べられたガラスのケースがありました。


商品にはそれぞれ値札が付けられていましたが細かくて読めません。そして占い師は品が良さそうな中年女性、私よりも二つ三つ年上かな、占術は手相でした。


占い師は私の手のひらをしばらく見つめると、「あなたはエネルギーがある人ですね」言われました。私はどんなエネルギーなのか聞きたかったのですが、黙っていました。


さらに「ご先祖様に守られています。すごく守られています」とずいぶんなくらい強調されるのです。

3.しょせんは占いだから

これには私自身なんとなく頷けるものもありました。今までギリギリのところで「何かに守られているかも」と感じたことがあったから。





そして聞きたかった仕事運については、転職をしても大きな問題はない、ただしばらくの間我慢をしなければならないことが多いはず、とのことでした。


慣れないうちは我慢も必要なのはわかっています。私はこの時も聞き流しました、「しょせんは占いだから」といった耳で聞いていたからでしょう。


それから占い師は「人が驚くような事を突然やったりしますね」とも言いました。たしかに私は思い付きで行動することが多いのです。でも、だからこの先どうなるとも教えてくれません。


このほかにもいくつか言われたような気がしますが忘れてしまいました。なぜならこの時にあるショックな運命を聞かされたからです。


それは、60歳から先の私の健康運についてでした。

4.どろどろと暗い絶望感

占い師はこう言いました、
「あなたは60歳まではいいが、それ以後は病気がちになるでしょう。生命線の先が細くなって分かれているから、きっと大病を患って寝込むようになります」


なんの抑揚もない声で言いました、私はまるでこの時に呪いをかけられたかのようでした。それからの毎日、ふとした折りにこの「大病を患って寝込む私の未来」が浮かんでは消えるのです、


ただ当時は60歳などだいぶ先のことでした。でも私はそのたびに、どろどろとした暗い絶望感に襲われるのです。そしてこの不幸な未来ばかりは「しょせんは占いだから」と割り切れないのです。

5.呪縛が解けた、そのきっかけ

手相占いの本を開いては「やっぱりそうなんだろうか」と、ため息をつくこともありました。しかし占いの本など、どれを見ても私になんかわかりません。





60歳からの人生、いったん思い浮かべるとどうもいけません、なんとか逃れたかったのです。こんな重荷を私はっずっと引きずっていたのでした。


そしてこの呪縛が解けた、そのきっかけも占いでした。


買い物で出かけた「ららぽーと」の占いのコーナー、「手相」の看板を見かけた私は思い切って飛び込んで、この悩みを相談してみたのです。


恐る恐る温泉でのお告げを、そして気になってしまうと落ち込む自分のことを正直に話してみたのです。この時の占い師も中年の女性、看板の通り手相による鑑定でした。

6.二回の占い体験で感じたこと

占い師は私の手のひらを見るなり「そんなことはありません!」とハッキリ否定されたのでした。「これは生命線ではありません。生命線はこっちで、こんなに長いから大丈夫です」と説明してくれたのでした。


それが本当かどうか、私を励まし慰めるために言ってくれたのか、素人の私にはわかりません。でも、この鑑定に救われた事は確かでした。


さらに「生死や病気に関することを占うことはタブーです、逆にいくら聞かれても占い師は答えないはずです」ともお話ししていただいたのです。


それ以来占いとかかわることもない私です。ただこの二回の占い体験で感じたこと、それはやっぱり「悪い事は、はっきりとは言ってほしくないな」と思ったことでしょうか。


それから・・・そうですね、納得いかないこととか、気になりすぎる事を言われたら、それがどうしても気にかかるのなら、私のように別の占い師を訪ねてもいいのではないのかと。


あまり深刻に受け止めることなく「しょせんは占いだから」と聞き流すことのほうが必要かもしれません。

6.今ですか・・・

今ですか・・・、私はあと10年で問題の60歳になります。まだまだ先の話です、でもこの占いのことは忘れられません。落ち込んではいけない、「健康には気をつけなさい」といった警告であると思えばいい。


ただ本音を言えば、大病で寝込む自分の姿が・・・、やっぱり消えることなく心の片隅にあるんです。あの時の占い師の声がするんです。決して解かれることがない呪い、誰か助けてください、私は怖いんです。



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