1.不安が70%ドキドキが30%
これは6年ほど前の話です。私はずっと専業主婦の生活を送っていたのですが、子供の教育費のため久しぶりにパートに出ることになったのです。
これといった変化もない毎日だったので外に出ることへの不安が70%、でも新しい刺激や出会いがあるかもといったドキドキが30%といったところでした。
そして入社後の私を丁寧に指導してくれたのが彼でした。年齢は31、ストアチーフという肩書でした。
彼はいつも穏やかで話し方もとてもソフト。私以外のバイトの学生やパートさんからの評判もよく、いい人そうだなという印象を持ちました。
また、彼にはユーモアのセンスもありました。威張ることもせず率先して作業に励むタイプでした。たまに事務所でデスクワークをしている横顔がまた凛々しくて・・・。
いつしか彼の指導を受け作業をすることが、いや彼のそばにいられることが楽しみになってきました。私にとってはまさに新しい刺激であったのです。
2.彼に会えるから今日も頑張れる
それから2か月ほどたつと、何とか私もひと通りの作業がこなせるようになりました。ただちょうどこのころ彼が3週間の出張に出ることになったのです。
「いない間、寂しいです」」
と言ったら、
「すぐ戻ってきますよ、おみやげはプリンでいいですか?」
なんて可愛いことを言うのですよ。
この頃からなんとなく、彼に恋心を抱きはじめたんだと思います。
彼と会えない3週間は張り合いのない毎日でした。だから彼が戻ってくると、
「彼に会えるから今日も頑張れる」
と仕事も生活も息を返したように充実したものになっていったのです。
その翌月、彼の誕生日にちょっとしたプレゼントを送りました。
でも、それから半年後のことでした。彼の転勤が決まってしまったのです。それも遠い他県の店舗への異動です。私は悲しくて寂しくて・・・、彼がいなくなるのならもう頑張れない、胸がしめつけられる思いだったのです。
3.キスはしません
彼に対しては恋心を抱いていました。でも別に深い関係になりたいとか何をしたいとか思っていたわけではありません。なにしろ私には夫もいれば子供もいるのです。
でも彼がいなくなってしまう、もう会えなくなってしまう。こうなると私の胸の内は激しく揺れました。押し寄せてくる切ない思いをと抑えることが出来なくて、そして私は彼を二人きりの食事に誘ってしまったのです。
この時の私は、もうどうかしていたと思います。
食事のあと、彼が車で送ってくれたのですが、私は車から降りたくなく、酔いもあって彼にギュッとしてほしいと言いました。
彼は優しく抱きしめてくれました。
そして私の手をやさしく握って、
「ここまでですよ」
と言いました。
私は込み上げる思いを素直に声にしました、
「キスしたい」
彼はキッパリ言いました。
「キスはしません」
私はその後も凝りもせず連絡を取りたかったのですが、ラインもブロックされてしまいました。その日以来、彼とは顔を合わすことはありません。
今になって思うこと、連絡を断ち切られたことは大変ありがたいことでした。もしもズルズルと会ったりしていたら、本当の不倫になってしまっていたはずです。
いや、案外彼ははじめから私のことなんか何とも思っていなかったのかもしれませんね。私の思い上がり、ただ面倒な女だったのかもしれません。
4.よくもまあ大胆なことが
それにしても、我ながらよくもまあ大胆なことが出来たものだと思っています。恥ずかしくも切なくもある思い出です。私は彼と出会えてよかったと思っています。
今ですか、今も同じ職場で働き続けています。稼がなければいけないし、こんな職場でもいろんな人との出会いもあるんです。
あなたに不倫を勧める気などもちろんないのですが、いくつになっても恋愛は女をイキイキとさせてくれるものですね。。
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